〈株式会社東芝〉
社内資産と、社外の力を積極的に活用するCVC機能の両輪で精密医療事業を本格的に推進
当社は「東芝Nextプラン」において、新規成長事業の一つとして位置付けた精密医療の取り組みの一環として、日本人に特徴的な遺伝子を効率的に解析する「ジャポニカアレイ®注1」によるゲノムデータの収集開始を決定しました。また、本日、医療分野のスタートアップ投資に実績のあるBeyond Next Ventures株式会社注2と業務提携契約を締結しました。本提携により、優良な医療系ベンチャー企業の探索や協業の検討が可能となります。
当社グループは「東芝Nextプラン」において、「超早期発見」「個別化治療」を特徴とした精密医療を中核として医療事業への本格的な再参入を表明しました。また、東芝のDNAであるベンチャースピリットを呼び覚まし、新規事業を創出する新たな仕組みとして100億円規模のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)機能を導入しています。社内の技術資産を活かし、事業化を加速し収益化する推進機能と、社外の力を積極的に活用するCVC機能の両輪で、精密医療における取り組みを推進します。
当社は、疾病に至る過程に着目しています。疾病は、個人の生活パターンや遺伝的要因(体質)によって異なるため、より多くの方々のデータを分析し、特徴別に複数のパターンに分けることで、最適な予防法・治療法の開発につなげることが可能となります。
「ジャポニカアレイ®」によるゲノムデータの収集開始はこの第一歩であり、国内グループ従業員の希望者を対象に、ゲノムデータや複数年の健康診断結果等を含む数万人規模のデータベースを構築するものです。当社は疾病リスク予測、生活習慣病の予防、重症化予防など、「予防医療」の実現に向けた研究開発を、医療研究者をはじめとする医療・ライフサイエンスに携わる機関や企業と共同で推進してまいります。
また、精密医療事業の事業化加速、収益化の推進には、自前主義に拘らず社外の力を積極的に活用することも重要となってきます。医療・ライフサイエンス領域を中心に、多数の技術系スタートアップへの投資・事業化・成長支援で豊富な実績を持つBeyond Next Ventures株式会社との連携を通じ、優良な医療系ベンチャー企業の探索や協業の検討を推進していきます。
現在、我が国では、男性の4人に1人、女性の6人に1人ががんで亡くなる注3とされ、がんの予防率・治癒率向上に大きな期待が集まっています。また、世界的な高度医療技術の発展により、再生・細胞医療市場は急速な拡大が見込まれています。
当社が持つ最先端の精密医療に関連する製品・技術・顧客ネットワークを活用することで、極めて早い段階でがんを発見する「超早期発見」、症状に応じて最適かつ効果的な治療を施す「個別化治療」に加え、デジタルの力で疾病の罹患を未然に防ぐ「予防医療」にも積極的に取り組んでまいります。また、同じ未来を志すパートナーの皆さまとともに、予防から治療まで一人ひとりに寄り添った精密医療の実現に貢献してまいります。
当社は、精密医療事業を本格的に推進するため、「一人ひとりのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上を応援します」「積み重ねた技術力と、新たなパートナーシップでこれからの先進医療・ライフサイエンスを支えます」「次の世代も見据えた予防医療にデジタルの力を活かします」の3つを目標とする「精密医療ビジョン」を新たに作成しました。
新しいビジョンのもと、当社グループは予防から治療にわたる複数のテーマで要素技術等の技術開発に着手しており、研究から実用化に向けた様々なパートナーシップを組みながら事業の成長を目指してまいります。
注1 ジャポニカアレイ®
ジャポニカアレイ®は、国立大学法人東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が構築した全ゲノムリファレンスパネルを基に、COI東北拠点が社会実装した日本人ゲノム解析ツールです。日本人に特徴的な塩基配列を持つ約66万箇所の一塩基多型(SNP:Single Nucleotide Polymorphism)を1枚のチップに搭載しており、高スループットな解析が可能。ジャポニカアレイ® は国立大学法人東北大学の登録商標。
URL https://www.toshiba.co.jp/genome/typing/index.htm
注2 Beyond Next Ventures株式会社
2014年8月創業の技術系スタートアップへのインキュベーション投資に特化した独立系アクセラレーター。医療・ライフサイエンス領域を中心に、多数の技術系スタートアップへの投資と、その事業化・成長支援を手掛けている。
URL http://beyondnextventures.com
注3 我が国では、男性の4人に1人、女性の6人に1人ががんで亡くなる
出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターが運営する「がん情報サービス」による
「最新がん統計」、「2018年のがん統計予測」。
以上
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