〈中小機構〉
中小機構は8月6日、東京都千代田区のビジネス創発拠点TIP*Sで、中小企業大学校・丸の内セミナーを開いた。「ディール数日本最多のM&Aコンサルタントから見た中小企業における事業承継の最新潮流」をテーマに、日本M&Aセンターの渡部恒郎上席執行役員がM&A(合併・買収)による事業承継を解説した。中小企業経営者ら約60人が聴講した。
渡部氏は過去10年間で100件以上のM&Aを成功させた実績を持つ。10年以上前はネガティブだったM&Aに対する考え方が、ここ数年間で様変わりしたとしており、中小企業経営者が事業を売却後も売却先企業の経営に携わっている事例や、ベンチャー企業の“出口戦略”が株式上場を目指すのではなく上場企業に事業を売却するケースが増えていると指摘した。
中小企業経営者の高齢化が進む一方で、経営者が若い企業や事業を承継した企業ほど業績が伸びているとし、「M&Aによる事業譲渡は積極的な経営戦略だ」と強調した。またIT・ソフトウエア業界や運送・物流業界、調剤薬局などの分野でM&Aが活発化していると話した。また自社の株価が高くつくタイミングなども紹介した。
その上で、「70~80歳になっても自分が経営したいと考える人は意外に多く、突然死去して残された社員や家族に大変な迷惑をかけるケースも見てきた。早い時期にバトンタッチしないと、次の経営者が厳しい局面に立たされることは確実であり、ぜひM&Aを通じた事業承継を考えてほしい」と訴えた。
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